ITS/CEV Hypermini substantiative experiment for ITS / EV sharing

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日産ハイパーミニ試乗

都心レンタカーシステム 横浜みなとみらい21地区


2000-3-11

P-Startのメンバーの村木さん(JARI)のアレンジで、横浜みなとみらい21地区で 実施されている「都心レンタカーシステム」の ハイパーミニ を見せてもらいに行くことになりました。
ここでは 自動車走行電子技術協会 がバックになって、 電気自動車の特性を生かした使い方の一つとしての 都心部での共同利用の実証実験が2000年の 1月から行われてるのです。
といったところで、まずこの実験の内容の説明。
右の画面には各車両の状況が表示されています。 左は車輌の予約をする時の画面です。
ITS時代をにらんだ実証実験ですので、 ここで使用されているハイパーミニには情報通信機器が満載され、 みなとみらいのクイーンズタワーの一室ですべて管理されています。 プライバシーに関わることなので普段は見えませんが、非常時には どこにクルマがあるのかまで地図上に表示されます。
クルマの予約から利用まですべてオンラインで行えます。 もちろん乗り捨てがある場合には配車が必要ですが、基本的には充電器のある場所 から出て、同じところに戻ってきます。
管理をしているコンピュータ。 これで能力的には数千台の管理が出来るといいますから、管理センター自体は 利用とは関係なく場所を選ばないということですね。 北海道のシステムを管理してもよいし、逆に極端な話、管理センターは海外にあってもよろしい。
実験段階なので、この地区に事業所を持つ会社に無料で貸し出されています。 企業が実験のメンバーとなっているので 週末の利用はあまりない。 ということで、ハイパーミニ揃い踏み。
週末にみなとみらいのホテル、 インターコンチ なんかに泊まると、台数は少ないですが、ハイパーミニを借りることも 可能になったそうです。 横浜の港の見えるホテルに泊まって、ハイパーミニで観光なんていかが? レンタカー無料で使える、しかもハイパーミニとくれば、絶対お得。
利用者はキーレスエントリーの鍵を持っていて、 クルマのところでボタンを押すと、センターで配車された 車輌がハザードを出して答え、乗れるようになります。
内装の様子。
乗り込んだら、ダッシュボードの中に入っている鍵を「貸出」の位置に まわすと走行可能になります。 そうなったら、あとは普通に運転するだけ。 コラムのATだと思えば、クリープするようにもなっているので いつもの感覚で運転できます。
そう、忘れていました。 充電器を外してからでないと、走れません。 走り終わってクルマを返すときも充電器口に充電パッドを差し込んで から返します。
充電器の全景。
充電器は非接触式のインダクティブタイプなので、 使う人には安心感を与えます。 やはり、一般に充電口に金属や接点が見えない方が、格段に 安心感があり好まれるとの報告もあります。
まぁ慣れてしまうと、プラグを差し込むのでも、数百ボルトで数十アンペア 流れようが、スイッチ入れない限り電気は来ないから「同じじゃん」 という気はするのですけどね。
いつもの悪い癖、とりあえずクルマを下から覗いてみます。
モーターは、ネオジム鉄磁石をロータに使った同期モータ。 フィンも何もないのですが、液冷でなく空冷。 ルシオールなどと比べると、最大出力は24kW(ルシオールは72kW)なので 最高速では及びませんが、 トルクが130Nmと割によく出ています(ルシオールは77Nm×2基)。 が、加速感は今一つ。それでも、EV特有の「ヌルっとした加速感」 というのは、ハイパーミニも持ち合わせていました。
足周りは前後とも、作り込まれた綺麗なストラット。 タイヤは前145-65R14、後165-60R14と前後で違うサイズの ブリジストンの専用「Ecopia」が付いていました。 合わせてフロントに太いスタビが装着されており、このクルマの短さから、 「どんなことをしてもオーバーステアにならないように」と配慮されている ことがうかがえます。
それでも、ステアの中点付近の感覚が乏しいことを除けば、小さいクルマ らしい動きで、操縦感覚は決して悪くないです。 この車も重心位置が低いというのが運動性能に大きく寄与しているのでしょう。
パイプで組まれたサブフレームに、モーターとギア関係が載っています。 このサブフレームはブッシュを介してボデーにマウントされていて、 とても丁寧な作りです。
このパイプの使いはMCCのスマートにとても似ています。 リア駆動するこのサイズ、このタイプの車の構成を考えた上での 解答なのでしょう。
試乗中
ボディーはアルミの押し出し材のスペースフレーム。 ホンダのインサイトにしてもそうですが、軽量化となると アルミ押し出し材を貼りあわせた骨格を使うのがトレンドのようです。
ナビを装備。 利用を終えると、エネルギー使用量とどれだけ二酸化炭素を減らせたかの 表示が出ます。
それに日産車なので、トヨタのMONETの有人版 コンパスリンク が付いていますので、道に迷っても、お腹が減っても、コンパスリンクに つなげばセンターのお姉さんがナビの設定もしてくれます。
面白いことに、ジャッキポイントはホイールベースの真ん中 (少し凹みが付いているところ)にきます。 ってことは、この位置に重心があって、ここを上げれば前も後ろも 上がるのでしょう。
電池はリチウムイオンをお腹に抱いていますが、電池ケースが ダイキャストのような豪華な作りでしたし、剛性はありそうです。

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HTML by Shiro Matsugara