Part 2
L-2 22 Apr. ORIENTATION TOUR
KSCというよりNASAを象徴する建物といえるVAB(Vehicle Assembly Building)。
月ロケット・サターンVロケットを組み立てるために作られた建物で、アポロ計画の
遺産だ。
高さが111メートルあったサターンVを丸ごと4基飲み込むために、高さは160m、
長さが218m、幅で158mもあり世界最大級の構造物で、壁に描かれた星条旗がいかにも
誇らしい。
プレス向けのオリエンテーションツアーはここから始まった。 |
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VAB内部。
無造作に置かれている固体ロケットブースター(SRB)の頭の部分。 (SRB)は大西洋に落ちてきたところを回収して再利用するので、 パラシュートなどが頭についているのです。 固体燃料ロケットは、水素を燃やす液体燃料のメイン推進システムとは 違って、花火と同じようにいったん火が付いたら消せませんから、 VABに入るときはマッチやライターは回収されていました。 |
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何の治具か分かりませんが、組み立てに使うであろうキャスターの付いた 治具。SRBを立てて移動するのに使うのかもしれません。 他にもオービターを吊るすためにオービターにかますパイプなど、 こういうアタッチメントの類がいろいろ転がっています。 それらが、組み立て作業はハイテクからは程遠く、「人の手で組み立ててるんだなぁ」 と思わせるものです。 | |
4つあるうちのひとつのベイには、外部燃料タンクがセットされていました。 隣のベイには、オービターもセットされているということでしたが、 内側からでは、どこにあるのか全然見えませんでした。 | |
250トンクレーン。
VABには70個のLifting deviceというのですから、 クレーンの類が設置されていることになります。 その中でも、この250トンクレーンは、もちろん一番の力持ち。 シャトルのオービターは空の状態で76〜79トンですから、もちろん シャトルに対しては随分オーバースペックではあります。 |
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こんなオリエンテーションツアーを率いてくれる元NASA職員の
おっちゃん、名前は失念。
元職員といっても、NASAが初めて「わずか15分」だけ、 アメリカのヒーロー、アランシェパードを宇宙空間(と言ってよい高度かは 議論があるだろうけど)へ送ったのが 1961年の5月だから、実は40年程度の歴史しかない。 実際、アランシェパードはこの間まで生きていたし、ジョングレンに至っては 一昨年STS-95で飛んでいるのだから、第一世代でさえ頑張っていれば健在 ってことだ。 |
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クローラートランスポーター。
VABで組み上げたロケットを打ち上げパッドへ運ぶ、 世界最大の「ハイブリッド電気」自動車。 サイズは40m×37.5m、高さは油圧ジャッキを内蔵していて 6.9mから7.9mまで上げられる。 ハイブリッドというのも、主エンジンは2基の2750馬力ディーゼル。 これで4基の発電機をまわして、キャタピラーそれぞれに4つずつ 合計16個のモーターで駆動する方式なのだ。 他にもジャッキや操舵用に1065馬力のエンジンを2基積んでいる。 ただ、最高速度は、ロケットを積んで1mile/hour。空荷だと倍の速度がでる。 何せ自重も270万kgもあるのだから、これも究極のVehicleに違いない。 |
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発射台39Aに据え付けられたアトランティス。 この時もまだRSSに囲まれていて全体は見えません。 この発射台もアポロ計画のために設計され、 ここは実際に月へ行ったアポロ11号から17号の全ての サターンV打ち上げに使われたまさにその場所です。 もちろん、シャトル打ち上げ用の大改造を受けてはいますが、 これもアポロ計画の遺産には違いありません。 |
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ガイドのおっちゃんと記念撮影。
いかにも嬉しそうですね。 |
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発射台は打ち上げ時に、「消音」のために大量の水が注入されます。 打ち上げ時の爆発的な騒音を水の気化エネルギーで吸収してやろう という仕掛けです。 そのための水タンクが左に見えます。 このタンクの容量は30万ガロン、つまり110万リットル以上の水が ためられていて、打ち上げ6.6秒前から直径2.1メーターというぶっとい 管を通って約20秒間注入が続きます。 音を抑えること自体発射台を守ることになるのでしょうけど、 消音のシステムと言っているところが面白いですね。 | |
打ち上げ台41、タイタンロケットの発射台です。
シャトルの姿を拝んだ後、「打ち上げ銀座」とも言えるケープカナベラル の海よりの道に入ると、数々の発射台が並んでいます。 41は最もシャトルの発射台39Aに近い打ち上げ台です。 こちらは、ケープカナベラルの空軍基地の管轄になりますが、現役の 打ち上げ台です。 |
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その隣の打ち上げパッド40。
こちらもタイタンロケットの打ち上げ台です。
5月8日(2000年)の朝にタイタンIVの打ち上げが 予定されているので、41とは見た目が違いますね。 4月に予定されていたGPS打ち上げ用のデルタロケットもトラブルで 5月に日程がスライドしてしまったので、 5月はタイタン(8日)、デルタ(11日)、アトラス(15日)と 打ち上げ日程が目白押しです。 |
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国際宇宙ステーションセンター。
ちょうどイースター休暇でアメリカのゴールデンウィーク だったので、KSCも観光地なので一般ビジターツアーに 含まれている国際宇宙ステーションセンターは観光客でいっぱい。 ここでは本物の宇宙ステーションモジュールが組み立てられていますが、 まずはお決まりの簡単な模型。 |
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本物の宇宙ステーションモジュールは、ガラスを隔てたクリーンルームで 組み立てられています。 まるで、上野動物園のパンダ状態。 | |
打ち上げのある当日はKSCには一般のビジターは入れなくなりますが、 それ以外は基本的に年中無休。 一人"DESTINY"の看板の前で働いている人が見えます。 これでサイズが分かると思います。 国際宇宙ステーションは当初の計画よりは縮小されてはいるもの、 完成すれば軌道上に浮かぶ巨大な施設となることには違いありません。 | |
上野のパンダなので、このように覗き込まないとよく見えません。
みんなの税金を使っているのだから、ここで行われていることは当然 一般に情報公開して開放されていないといけないということは徹底 しています。しかも、こういうことに関心があるんですね。 つくばの宇宙センターの巨大な真空チャンバーも 衛星組み立てクリーンルームも、予約すれば同様に上野のパンダ状態で 見学できますが、これほど繁盛してないでしょう。 |
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HTML by Shiro Matsugara