Komatsu Technical Center

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コマツ・テクノセンター見学


恒例となってきた乗り物見学会。今年は、ガンダムマニアな大前さんのお友達ネットワークもあって、 コマツの建設機械を試乗しようという ことになりました。
乗り物といっても人間を乗せる乗用を目的とするものとそれ以外では、 全く雰囲気は異なる。 建設機械はもちろん後者であって、いかに効率的に運転させて、どれだけ 地形を変えられるかが問題。 「地球と闘うマシン」なので環境破壊マキシマムなのだが、コストミニマムで 働かせることを追求していて、一つ一つはとことん合理的なマシンだ。 また、複数のマシンが分業で作業を行うため組み合わされるマシンの サイズにもその理由がある。

2000-11-1

じゃんじゃじゃーん、と音楽とともに始まったデモンストレーション。 海外からのお客さんも来ていて、その後ろからデモンストレーションを見る。 一通りテクノセンターにある建設機械が登場するが、なかで一番道路工事などで われわれ一般人の目に触れやすいサイズのパワーシャベルが3台。
機動性が高くて、キャビン部などの上部が小さなところでも旋回できるように 丸くなっている。 カウンターウェイトを積んで安定性を増すというのも、乗用の乗り物にはない発想だ。
リモコン・パワーシャベルPC350LC。
危険な地域でも遠隔操作で作業が行えるというシャベル。 右下のおねぇさんが操作している。 コントローラの下げ方がなんとも鉄人28号チックだ。 無線式なので、妨害電波等で無線が届かなくなっても暴走しないように はなっている。 33トンもあるシャベルが勝手に走り回っていたら危険極まりない。
組み合わせの演技
奥が、110トンパワーシャベルのPC1100と100トンダンプのHD985。 手前が大型ホイールローダーのWA900と60トンダンプのHD605。 効率良く運転させるためには、何回土砂積んだらダンプが出発できるか というのが重要で、バケットのサイズが決まっている。
コマツはF1チームのテクニカルパートナーと なっている。 そんなことで、エントランスには90年代前半頃のロータスチームのマシンが 飾ってあった。
飾ってあるものにも、清水研のこの洗礼。
コックピットにも乗り込んでみる。
この時代のレーサーは、手作り感満点のクルマだ。
サスペンションアームなんかは翼形状になっているけれど、 下手したらFJ1600なんかとあまり変わらないかもしれない。 まぁ、確かにモーターショウなんかで飾ってあるF1マシンも、 サイズは小さいし、構造が簡単なだけにテレビで見るほど 立派なものではない。
試乗開始。
まずは110トン油圧シャベルのPC1100から。 基本的にパワーシャベルの類は大きいものから小さなものまで 操作は統一されていて、廊下にシミュレータがあったので予習までした。
足のペダルでキャタピラを、左手ステックの左右でキャビンを含む上部全体の旋回を、 左手上下がアームの肘の動きを、右手ステックの左右でバケットを、右手上下でアームを 動かす。 肘の角度を決めたらアームを下ろして、下ろしながらバケットをすくうという動作だったと思うが、 詳しい操作は失念。 世の中には建機ゲームというのも存在するので、ゲーセンに行って確かめよう。
妻野も真剣に取り組む。
一番最初に試乗した油圧シャベルは、なかで最も面白い建機だった。 なぜっていうと、土を掘り、そして盛る。この動作は、砂遊びをするのと同じようで、 子供のようになぜだか不思議と嬉しくなってしまう。 操作は最も複雑で難しいが、それも慣れてくれば、自分の腕の能力を拡張してくれる 感覚を与えてくれる。 公園の砂場なんかは丸ごと掘るぐらいの土砂を一度に掘ってしまうのだから、 なんとも豪快な砂遊びなのだけど。
60トンダンプのHD605。
こちらも一人づつ順番に運転して一周する。 基本的にトルコンのトランスミッションなので、 クリープの付いているオートマ車と変わらない。 それに、大きいからと言って操作に力が必要なわけでもない。 ただ左ハンドル(?)で、車両感覚がクルマが馬鹿でかいこともあって取りにくい。 自然と右に寄ってしまう。 パーキングブレーキがトグルスイッチ式なので、油圧なのでスイッチで十分なのは 分かるけれど、乗用車のように止めた気持ちになれないのが、ちょっと気持ち悪い点 だった。
100トンダンプのHD985のエンジン。
30,500ccの直噴ディーゼルターボで1065馬力。 エンジンオイルの量だけで130リッターもある。 気になる燃費だが、建機の場合負荷によって異なるので、 ダンプの場合にしても燃料あたりの距離ではなく、 時間あたり燃料であったり、燃料補給までの連続作業の インターバル時間で表されるという。 時間あたりでどれだけ稼ぐかを突き詰めているので、いかに止まらないで働くのか ということが偉いのだ。
大型のホイールローダーWA900。
バケットサイズは13立法メートル。 このホイールローダーは、ダンプトラックに積み込むように 設計されている。 旋回時に胴体部が中折れするのも特徴。 このおかげで内外輪差がない。 乗り込むには後ろから梯子を登って前の運転席まで歩いていく。 ホイールローダー系は、右手でバケット操作、左手だけでステア操作 なので、どうも左手でハンドルを回すというのが慣れないと右手が 離れてしまう。外車乗っていれば右手シフトなのだろうけど、 国産車じゃハンドルはどちらかといえば右手で支えているからね。
建設機械といえば「ブルドーザ」が代名詞のようであった ように、誰もが知っているドーザー。 ホイールローダーと違って、土砂を持ち上げずに押して 運ぶので、車両の操作はブレーキを離せば走り出し、ブレーキ 踏めば止まると単純。 面白いのはドーザーの土砂を押すブレードを傾けたり出来る ところ。 とはいえ、個人的にはあまり面白くないマシンだった。
試乗エリアは雨でドロドロ。
後ろは、自走式粉砕機。 現場で石を砕いて再利用するための機械。 それは確かに、運び出さずに現場で必要なものを作れるなら 合理的。
戻ってきて、お気に入りのPC1100油圧シャベル。
欲張ってバケットにすくい過ぎると、シャベルの方が傾く。 「シャベルが地面に着いているから倒れない」とは言われても 結構びっくり。
前からも見るとこんな様子。
操作を教えてくれたおじさんの言葉の訛りが石川県訛りだったのが、 気になった。 やはりコマツは小松の会社だからなのだろうか。 うちの両親は石川県出身で、葬式ぐらいにしか会わない親戚の いとこにもコマツに勤めている人もいたはず。 小松製作所といえば石川県の生んだ世界企業ということに なるからね。
親が電話をかけているときの言葉や、叔父さんたちの言葉そっくり だったから、このおじさんも石川県出身に違いない。
小さい方の油圧シャベル。
このサイズは売れ筋だろう。 道路工事なんかにもよくあるサイズ。 大きくても小さくても操作は同じだが、 小さい油圧シャベルのほうが動きが速いので難しい。 バケットですくえる量が小さい分、動きは素早い。
みんなで同じところをほじっているので、すくう場所が だんだんなくなってきた。 腕をうんと伸ばすと不安定だし、近くじゃ自分の足元ほじくっている ようなものでそれも危ない。
小さいシャベルのほうが動きはいいけれど、気分的には大きなシャベルのほうが 数段気持ちは良かった。 なんだかんだいって砂遊びでも、大きな山やお城作ったほうが気持ち良いからね。
ホイールローダー2種。
小さい方のホイールローダーWA350。
昔のアメ車のようにAピラーがなくて キャビンの視界は良好。
ホイールローダーは、バケットを地面と水平にしてから 山に突っ込み、突っ込んで止まったところで、前進しながら バケットをすくい上げていくとちょうどうまく土が乗っかる。 土をすくうという作業は、やはり楽しい。 でも、油圧シャベルの次ぐらいかな。
後ろから見ると、こんな様子。
みんな雨降りの中、傘差しながら順番待ちしているのです。
だいたいみんなの試乗が終わったところで、土砂の片付け。
バケットの背中を使って押し込みながらペタペタと塗り上げる感じ。
建設機械って、見た目はやはり「虫系」ですね。 昆虫系とでもいいましょうか。
大西くんのお気に入り、超小型の「マイクロ」パワーシャベルPC01。
家の溝掘ったり、車庫掘ったりするアレです。 それも世界最小のタイプ。 シャベルも最小。 建設というより、園芸用ですか。 ホンダの163ccガソリンエンジンで、スクーターサイズですが、 動きも操作も本物の油圧シャベルです。
ちゃんと動くでしょ。
でも、バケットも小さいので「これだったら自分でシャベルですくったほうが 早いんじゃないか」とも思ってしまうサイズ。 現場に若い人いればいいですが、こういう時代ですし省力化には こんな機械もありなのかも。 重いものを持ち上げるための機械ですから機械質量300kgありますが、 スクーターサイズなので軽トラにものっかります。
「これ欲しー」と人気の高かったPC01。
ただ、お値段は150万円ぐらいとか。 中古でも100万円ぐらい。 金を稼ぎだす「お仕事用マシン」なので、小さくてもお値段は 立派。おもちゃじゃありません。
100トンダンプの威力を検証ということで、古いノートパソコンを踏み潰してみる デモンストレーション。 ノートパソコンは大前さんが用意していたみたい。 「おらっ、行くぞ」...
...で、とうぜん粉々。
始末して帰りましょう。
何をって、妻ノ?

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HTML by Shiro Matsugara