Wind Tunnel Test! Revenge!

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風洞試験再び

18th June. 2001


今年度はまだイタリア生活から解放されて、学部の研究会に顔を出すことが なかった。が、今年は初年度の97年以来の風洞実験を再び行うとの 情報を得て、私もクレイを作って参戦することにした。
風洞は前回と同じ東京R&D。 でも、場所も違っているし、風洞施設は同じものの制御関係は手作り感の 残っていた前回と違い大きく飛躍している。 まず、PCがPC-98なんかじゃなくなってるし、ちゃんと観察する部屋は 仕切られていて空調までついている。
さっそく、セッティングをして計測開始。
今回も一人一台のモデルで風洞にかける。 前回と違うのは、イメージストーリーではなく、モデルを 作る前にそれなりのコンセプトとデザイン画を描かせている ところ。
空気抵抗係数などは、モニターソフトに表示される。 風洞自体は同じなので、測るのはドラッグと前軸リフト、 後軸右左の2つのリフトと、空気力係数の項目自体は変わらない。
前回の実験当時いた学生は大学からいなくなっているので(一部を除き)、 まぁみんな初めての風洞実験となるわけです。
計測器に掛ける際のセッティング用吊りワイヤーの高さをあわせる。 今回のモデル製作での注意点に、吊りワイヤーの場所は指示されていた のですが、ワイヤーを引っ掛ける高さまでは指定されていなかったので この高さがみんなバラバラ。 結局、現場で調整しています。
でも、クレイの扱い方は前回のモデル製作のときよりも大幅に進歩している。 前回は、正直言ってひどいモデルもありましたからね。
これは、「清水研進化論」と呼ぼう。
センサーの吊り下げ高さの調整も、制御ソフトに統合されて 端末からの操作になっていた。 このおかげで操作は実質2人がかりになるので、ある意味使いにくい感じもする。
操作室の前に見えるのは、湿度計に気圧計。 温度は自動的に測定されてソフトに取り込まれていた。 空気密度は風洞実験には重要な情報だ。
モデルが変わると、吊り下げ直して、セッティングのしなおし。
測定自体は、ムービングベルトをまわして、規定の速度に達してから 風を送り、安定したらデータを取って、「はい、終わり」と 思うよりあっけないが、このモデルを変えてセッティングしなおすのに、 なんとも時間がかかる。
「空気力係数をどうにかしよう」というのではなく、「電気自動車らしいコンセプトの乗り物を 作ろう」というのが、モデル製作の趣旨であったから、自動車らしくない 個性的なモデルもできあがる。
モデルは、リフトを測る上方からのワイヤ三点と、ドラッグ用の前方の一点。 あとは、後ろからワイヤを張って重しで固定し、また風でふらつかないように 両脇からもワイヤと重しで引っ張る。
最後に私のモデル。KAZのデザイン時のレンダリングの一部を 元にしてモデリング。これは全長7m、全幅2m、全高1.75mと 巨大な乗り物になってしまったので、スケールモデルでも この大きさ。デカイ。前面投影面2.75平方メートルとして、Cdは0.24を達成。
ちょっと前面投影面積は怪しいけど、ダウンフォースも出ているし、 揚抗比も悪くないと思うので、急造のモデルとしては 成績の良い方だと思う。
ドラッグには効くと言われたリアのサイドスパッツが加えてある。 このスポイラーはピニンファリーナのコゴッティーさんがKAZに加えた空力特性改善の 手段だったし、24時間に2000km走ったFTOのエアロもリアはわざと乱流剥離させて やるという形だったので、ここもそれを真似て採用。 ただ、サイドスパッツをつけるなら、尻の曲面が始まるところに取り付けてやるべき なので、これでは効き目がないか、逆効果かも。 なぜなら、このモデルではリアの左右の曲面がストップランプなどの位置になっているから、 ここに空力パーツを取り付けるわけにはいかないのだ。 もう一つの問題として、あまり格好良くない。

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HTML by Shiro Matsugara