以前、研究会で戦車の試乗をしてから、 個人的にも注目の陸上自衛隊。 陸上自衛隊といえば、戦争でも災害救援でもなければ、この富士総合火力演習が 一般の人々との数少ない接点だろう。 「期限切れ近い弾薬の棚さらい」、「在庫処分」の演習とも言われるが、かなりの量の 実弾をぶっ放して派手な演習という噂もあって興味があったので、応募してみた。 が、人気のあるイベントでそうそう当たらず、ここは市場原理、Yahoo!オークションに出品されていた 青年券を2千円で買って行くことにした。 「早く会場に着かないとロクな席じゃ見られない」というインターネット上の記事を見たので、 5時に起きて朝一の電車に乗って御殿場駅へ、そこから臨時バスに乗って会場へ。 結構シンドイ小旅行である。 観覧スタンドは既に一杯だったので、シート席と呼ばれる地べたの席の一番前は確保したものの、 雨が降って大変。自衛官の着ている装備とは違い、100円ショップのカッパにごみ袋2枚では 雨の演習場には勝てない。雨のなか弁当を食いながら、その態勢で演習開始を2時間半ほど待つ。 こんな状況を考えると、我ながらおかしい。 本当にアホちゃうか?と思えてくる。
演習は2部構成。
前半は陸自の装備を順番に紹介するコーナー。
後半が本土防衛のストーリーを想定した演習。
前半でも、着弾地点はこんな様子。 ずいぶんと遠いので、光が見えてから爆音がするまでの 時間差が大きい。 |
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湾岸戦争で有名になった、多連装ロケットランチャーMLRS。
正面の舞台に上がってくるものの、ミサイル撃つことはできず展示のみ。 |
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203mm自走榴弾砲。
これもMLRS同様アメリカものなので、アメリカ軍ではM110A2。 ライセンス生産だが、配備は91輌しかない。 むきだしの砲が、いかにも「大砲」という感じを醸しだしている。 |
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自走中の155mm榴弾砲FH70。
普段はけん引されるが、けん引車両がなくても時速16kmで自走もできる。 まぁ、なんというか、トラクターみたいな自走ですけどね。 長距離射撃をする特科の展示は少し地味な感じ。 |
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特科と比べると、ヘリコプター部隊(航空科)はやはり派手。 対戦車ヘリ、AH-1Sコブラが谷の下から現れるって演出は凝っているでしょう。 | |
目の前で射撃するし、空中で宙返りするし、ヘリのアピール度は満点。 | |
ヘリのアピール度も高いが、やはり一番は機甲科の戦車部隊。
手前で74式が射撃中。 |
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後半にはいって、64式対戦車誘導弾。
前半は雨のため、三沢基地から飛んでくるはずのF-4J改は 来なかったし、空挺部隊の降下も見られなかったので、 後半に期待したいところ。 |
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87式偵察警戒車。 これは、戦車の試乗の時に乗せてもらいました。 その時は「いすず」と聞いていましたが、コマツの建機を見に行った 時にコマツの製品ラインアップに入っていましたから、コマツの製造 です。 |
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ホンダの2ストオフロードのCRMを大小2台持っている私としては、 「オフ車の使い方はこういうものだ」というのを見せ付けられる 単車でのデモンストレーション。 機動性という点では、単車にかなうものはそうは存在しないでしょう。 ただし、大きな兵器を搭載するのは不可能ですがね。 単車は主として偵察活動の役割ですが、乗車状態からの射撃はやっていました。 | |
偵察に続いて、ヘリボン行動。
UH-1から降下で陣地を確保して、これから攻撃に 移るというところで、演習も佳境に。 |
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草原の影からヘリがジャンジャン出てきて、プラトーンとか地獄の黙示録 とかベトナム戦争をテーマにした映画っぽいぞ、なんて思ったりして。 というよりは、ヘリが最初に大規模に使われたのがベトナム戦争だからな。 やっぱり、そういうイメージ。 | |
90式戦車も整列して出てきて攻撃です。
戦車のメカっぽさは格好いいよなと思う。 地上最強の兵器だというのには違いない。 しかし、正規軍が向かい合う戦争では有効だろうが、 テロの戦争の時代には使いにくい兵器だよなぁとも思う。 安価な誘導ミサイルなんかで、10億円の戦車と それより遥かに高価な乗員が吹っ飛ばされたのじゃ たまらない。 |
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74式も混じって、交互に射撃。
戦車砲の射撃の迫力は、「スゴイ」の一言だ。 ミサイルやロケット砲と違って、単なる大砲なので弾に推進力が あるわけではないから、発射時に与えられる初速が一番大きいわけだ。 この衝撃を見てる方は間近に感じるのだから、音と衝撃は とにかく「スゴイ」。 |
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陣形を変えるため移動中の90式戦車。
泥を巻き上げ、砂埃を立ててだが、やはり2ストエンジンの排ガスが 黒いので、その黒さも目立つ。 |
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着弾地点は、こんな様子。 | |
戦車砲の迫力は満点なので写真に収めようとするが、 実際迫力のある画を撮るのは難しい。 この写真のように、砲の先から煙りを噴いている、なんとも 情けない感じになってしまう。 炎が見えるのは一瞬なので、「撃つぞ、撃つぞ...」というところで シャッターを切っても、なかなかタイミングが合わない。 格好良い戦車砲の画を撮るなら、動画で撮るのが良いでしょう。 | |
92式地雷原処理車からロケットを発射して、 戦車の道を作り、 | |
全部隊、前進。 | |
ヘリもやってきてクライマックス。 | |
国旗を降ろして終了。 | |
で、後は装備品の展示で近くで色々見れるお時間なのですが、 あまりに人が多くて混むので退散。 出口まで行くのも一苦労。 バスで御殿場まで帰らないといけないのだから、ゆっくり していたらいつ帰れるか分かりません。 | |
HTML by Shiro Matsugara